「鈴鹿川のアユを考える研究会」
あなたはおぼえていますか?
昔、魚がいた川を。

 

11/7 環境分科会報告他

1.「第3回鈴鹿川のアユを考える研究会」にて

 <多自然型川造り>について、三重県 河川課長 柴原さん、課長補佐 久世さんに講演して頂いた。
   ・河川法改正の流れについて
1896年   治水を中心とした近代河川制度の誕生
1964年  治水・利水の体系的な制度の整備
1997年 治水・利水・環境の総合的な制度の整備
       河川環境の整備と保全
       地域の意見を反映した河川整備の計画制度の導入
・多自然型川づくり
     定義:河川が本来有している生物の良好な生育環境に配慮し、あわせて美しい自然風景を保全あるいは創出する事業を実施すること
     目標:多自然型川づくりは「豊かな自然の保全と再生・創出」、「美しい風景と保全と創出」、「川らしい川づくり」
     考え方:多自然型川づくりは、自然の川の姿を手本とし、治水上の安全性を確保したうえで、自然豊かな水辺の創造を図るものです
(1)多様性の豊かな環境条件を創出する
(2)自然のダイナミズムをできるだけ許容する
(3)水と緑のネットワークにより生態系の孤立化を避ける
     注目は、これからの河川工事は治水、利水に環境配慮がプラスされた事である。我々、子供・孫たちの生命に関わる水を左右する魚を知らない時代を迎えないよう、川を皆で観察、考え、多自然型川の実現をしょう
少なくともこれからの堰堤(段差のあるダム)建設には、適応した魚道があるか見守っていこうなど、多数の意見が出された
出席者は市民、県、北勢県民局、市生活環境の人達26名で、率直な意見が出された。

 2.きらめき亀山21分科会紹介

・10/28 亀山市自治会連合会実践交流会
・11/3 生涯学習フェステイバル
  
3..亀山東小学校にて4年生のみなさんと11/13鈴鹿川の魚を中心に自然環境、遊びについて交流した。熱心な態度に感謝
次回分科会
      日 時  12月5日(水)  19:30〜21:00
      場 所  亀山総合保健センター「あいあい」2F研修室
      テーマ 「今年一年間の活動ふり返りと来年の活動計画」について話し合い
     2002年1月のイベントの打ち合わせもあるので是非出席下さい 
2001年8月7日「第2回鈴鹿川のアユを考える研究会」報告

      
                         きらめき亀山21
                           「亀山の自然環境を考える」分科会   2001.8.15

今回は、アユをはじめ回遊魚が遡上出来、住めるための条件とその実現の取り組みについて話し合った。
鈴鹿川の環境回復には、水質改善、水量増加、川床水面上昇、河川分断改善、化学肥料土壌改良、魚類生息配慮の工事等がある。
その内、鈴鹿川の環境の現状維持を条件としたとき、魚類遡上のための魚道設置が望まれる。

議題
1. 第一回研究会での意見と鈴鹿川環境回復に向けた取り組みについて
(会代表桜井好基さん他)
   水質悪化
    ・家庭排水:中上流域では、下水道整備が進められており、今後10年で相当の水質改善が出来る
    ・工場排水・水田農薬・ゴルフ場農薬:行政の規制がなされている
   水量の減少
    ・山林の保水対策:
      山林の人口林化から自然林化・・・山林経営者の理解が得られないと困難。
理解者例として
       上流の諸戸林業が山林の自然林化(伐採地の再人口林化1/3、自然林化)がある
      放置人口林・・・間伐人口の減少・費用の増大の原因大、ボランテイア対応可能か?
      ゴルフ場などの山林開発・・・行政の規制有る
・表流水・伏流水・浅層水の取水の配慮:行政規制はあるが、地域によっては、(限度はあるが)地下水の利用や規制変更など何らかを取り組む必要あり
   水位低下・河川分断化
・水量の減少対策
・頭首工、床止め堰堤、水路の水面との落差改善:既設の魚遡上のための魚道が水面との落差が大きくなり、役立たないものが多く、(例:第一・第二・井尻頭首工)改善が必要。治山、治水堰堤の改善も同様
         (魚が溯上出来る落差限度は40cm程度だが、1m以上にもなっている)
       これらは地元住民の関心と要望の度合いで、行政対応可能となる
土壌汚染
・化学肥料・農薬の使用?:土壌改良として、有機農業が推奨されるが、採算性等で現実的対応が難しい。有害物質規制値以上の農業用水が直接川へ流れない対策?
    魚の住みよい護岸
・コンクリートと多自然型護岸と組み合わせた川・小川・用排水路作り  
       これら地元住民の関心と要望の度合いで、行政対応可能となる
2.岐阜県根尾川の棚田式魚道整備の取り組みについて他(国土交通省 中村瑛佳さん)
  根尾川の棚田式魚道
・ビデオ(国土交通省編とNHK全国版ニュース)とパンフレットにて説明
      アユの遡上状況に見る特徴
       (1)川の流量の変化に対応:
    自然石の堰きあげ効果で、床止め工天端付近の流速が遅くなり楽々と溯上する
    自然石や間詰工の高低の変化で流速が変わり(遅・速)、魚の体力に合わせて溯上
    魚道底面の細かな自然石の凹凸が減速効果を生み出し、魚が溯上しやすい環境を作り出す
(2)どこからでぼのぼれる:階段式(従来方式)と違い、魚道全体が登り口
(3)多様な生き物が憩う休憩所がある:溯上途中に魚に優しい休憩所(棚田)があり、そこには、底生魚(ヨシノボリなど)や水生昆虫(トビゲラ)も見られる
(4)メンテナンスフリーを目指す:
     洪水時の土砂流入によるメンテを必要としない構造
     下流洗掘による機能低下を防ぐ構造
(5)施工性、経済性に配慮:短工期と施工性を考え、ブレキャストブロックを併用。工期・経済性に配慮し、緊結金具等を使用するなど、一体構造として洪水時に対応
  鈴鹿川の水質(BOD、トータル燐・窒素)
       長良川、揖斐川と比べると
         庄野橋付近のBOD、下流の高岡のトータル窒素量以外同じようなレベルである
3.魚道整備に向けた提案(北勢県民局 一見奉雄さん、会代表 桜井好基さん )・ 川の整備は治水、利水が今でも中心
・ 魚道を整備するにあたって、地域住民の運動の盛り上がりが必要
・ その盛り上がりの声の中に、「何故鈴鹿川なのか」「何故アユなのか」など具体的構想があり、行政で議論出来るものであってほしい
    ・ 例、魚道整備のための協議会組織の設立
         関係機関や有識者等による魚道整備推進にための協議会組織を作り、地元の意見を聞きつつ、行政、漁協、NPO等が連携(役割分担)した計画的な魚道整備及び維持管理体制を作っていく
       魚道整備後における魚道の機能調査および評価のシステム化
 
次回環境分科会                               ―以上―
         日 時: 9月4日 PM 7:30〜9.00
  場 所: 亀山市総合保健福祉センター「あいあい」研修センター
         議 題: 清遊会の活動、坂本棚田・ノボノ梅林現状、魚道他
    
          川床低下
  


2001年7月3日
「第1回鈴鹿川のアユを考える研究会」

きらめき亀山21「亀山の自然環境を考える」分科会大勢が集まった研究会
 
分科会の5目標の1つ「川・池に本来の魚類を取り戻したい」の関連テーマとして、今回第一回の 研究会の開催となった。
 この会はアユを中心にあらゆる魚を戻すため、様々な分野の人達と現状・原因・方策等を話し合い実行していく事を目的としている。
 出席者は、国土交通省・県・市・漁業組合・学校・棚田保存会・清友会・魚好きで川の変化を心配する方々等あらゆる分野の34名であった。
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討論内容

1.桜井好基さんからの説明
・ 鈴鹿川における魚の分布状況・・・回遊魚は頭首工(堰堤)より上流は見当たらない
・ 伊勢湾と長良川のアユの生態
・ アユの遡上条件・・・水質、一定量の表流水があること、遡上を阻害する障害物が無いことで鈴鹿川は障害物の改善が必要
・ 鈴鹿川の環境変化について
・ 流域の社会活動に伴う鈴鹿川の環境変化と魚類の生息環境への影響関連図
・ 堰堤での魚の越えられる高さは30〜40cmで川の魚道落差はそれを超える個所が多い
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 2.出席者からの意見

・ 下流にはアユは居る。堰堤で阻まれて、さ迷っていることは確かだ(見える)
・ アユを放流しても増水で下流へ流されたアユは堰堤より上流へは登れない
・ 淀みが少なく魚の留まる場所が少ない。だから、増水で流されてしまう
・ 堰堤に魚道があっても川床が低くなり、設定当時のような役割を果たしていない
・ 今までは利水、治水で環境は二の次であったが改める時期がきている
   以前は、川には側流があり、アユ、ウナギ、ナマズがよく捕れた。メダカさえ見えない
・ 魚の種類が少なくなったのは、生活廃水、農業廃水(農薬、合成肥料)、ゴルフ場からの農薬の直接川への流入がある。対策の一つ下水道の完成に期待している
・ 農業利水として、伏流水のくみ上げが多すぎる。川床の低下の原因でもある
・ 上流の植林も、広葉樹の実行もされだした。水量の安定にも連ながる
・ 水質は三重県でAクラスというが石にはアユの好む藻がほとんど見当たらない
・ 中州に草が生え過ぎるのは、川の栄養分が多いからだろう。むかしはこの写真がものがたる
・ 岐阜県で川の形状、魚道など、3種の実験河川を作って検討している。この結果を参考にしたい 
 このように、アユを愛する人、魚が大好きな人、水遊びの好きな人、そして水が・川が、生命の原点として、生物―人が共存出来ることを考え・望んでいる人の意見がでました。これからは森・川の構造や、水質などを見学や経験者・専門の人に学び、目的に向けて進みたいと思います。
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3.次回の予定
       日 時:8月7日 PM.7.30〜9.00
       場 所:亀山市総合保健福祉センター「あいあい」2F研修室の予定
       テーマ:岐阜県での(魚のための)三実験河川の話・・・国土交通省の方の話
           川の見学計画  
 
           2001.7.12   ―以上―

 

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