幼き日から 幾とせか 祖父も遊んだ鈴鹿川
レンガに刻む 100余年 汽車の煙ぞ今いずこ
コスモスの頃 訪ねれば 丘の向こうの山並みが
変わらぬ明日を 指し示す 郷土の誇りここにあり

そそり立つよな 絶壁と 白雲響く 清流の
巨石おりなす 石水渓 仙のいただき人寄せず
竜が来るぞと 命賭け 賢者の教え 今になお
永久の流れぞ ここにあり 守れ心のふるさとを

茸狩りの山 いつの日か 大海原に姿変え
見渡す限り 茶の香り 遠くに望む鈴鹿山
季節おりなす 土の道 小川のほとり 歩むとき
幼い日々を 思い出す 花も草木も変わらずに

しらさぎ遊ぶ 椋川の 流れに沿って土の道
蓮華なの花 摘んだ日を 思い起こさす みちくさの
姿消えさる 七曲り 橋のみ残る いまになお 
モロコ追った日 はるかなり 残れ残そう土の道

草木に埋もる 細き道 その名も古き金王道
今はその名も 人知れず 静かにたたずむ 里山に
密かに駆けた旅人の いかにあろうか その想い
平和な時代 続けよと 歩めば諭す古き道
土の道賛歌をつくってみました。「坊がつる賛歌」や「琵琶湖周航の歌」「荒城の月」「赤とんぼ」「もしもし亀よ亀さんよ」「線路は続くよ」で歌えます。

 1番は桜木の道です。鈴鹿川は子どもの頃、暑い夏の日、母や近所の人たちと水遊びに行きました。
鉄橋に列車が通ると、上からおしっこが降ってくるからと逃げたものです。母たちは川で洗濯することもありました。 皆が貧しい時代、安上がりなレジャーだったのです。変わらぬ明日を・・・・は時代の変遷でも、したたかに思えるほどに地場産業を変え歴史を築いてきた、このまち亀山へのエールです。

 2番は安楽川の逆さ川の道です。源流の石水渓はまだ、あまり俗化していないキャンプ場であり多くの滝と巨石の間をぬうように清流が落ちる一帯です。絶壁に覆われた仙ヶ岳は険しい登山の対象であります。
”竜が来るぞと命賭け”はこの地に伝わる洪水から村人を守った民話「銭一文」(流れの宮)を意味し、この一帯は亀山人にとって神聖な山々であり心の原風景です。永久(とわ)の流れを子々孫々まで守ろうとのメッセージです。

 3番は中の山パイロット周辺の道です。半世紀前までこの場所は赤松林で松茸がたくさん採れました。
今では広大な茶園となっていますが谷筋の土の道は健在です。

 4番は椋川の堤防道です。子どもたちの通学でのみちくさ場所でした。”七曲り”とは椋川から一気に小学校の裏に上がる急坂の近道でした。今ではコンクリートで固めた斜面となっており道とはいえません。でもそこへの橋だけが残されています。

 5番は南部の丘陵地帯を抜ける金王道(こんのみち)です。平治の乱に破れ主君を殺された渋谷金王丸が急を知らせに京まで駆せ参じた古道といわれ隠れるように旅した人もいたことでしょう。ここでウォーキングを楽しむのは平和な世でなければできないことです。

亀山の各所に残る、風情ある土の道を紹介します。
トップページへ   関・加太地区マップへ      昼生地区へ      野登地区マップへ